教授挨拶
心臓血管外科学講座 教授 金一 きんはじめ
平成29年4月1日付けで岩手医科大学心臓血管外科学講座教授に着任いたしました。東北地方における有数の手術実績を誇る岩手医科大学心臓血管外科の責任者となり非常に身に引き締まる思いでおります。 大学病院の役割は治療を行う診療分野、次世代の医師を育てる医学教育分野、そして、解明されていない病気の発見や新たな治療、手術法を開発していく研究分野です。一方、私がまず行わなければならない最重要分野は循環器疾患で苦しむ患者様を治療していく診療分野であります。平成7年、岩手医科大学を卒業後、川副浩平(関西医科大学)、岡林均(岩手医科大学心臓血管外科前教授)、そして高梨秀一郎(榊原記念病院心臓血管外科主任部長)先生という日本における一流の心臓外科医の下、心臓外科手術や外科医師としての姿勢など多くの経験を積ませていただきました。これまでの経験を生かしながら、今後も研鑽を積み岩手県民そして東北地方の循環器外科治療の向上のため微力ながら努力していきたいと考えています。
心臓外科を志す次世代の若い医師の教育も重要な課題です。私たちの教室でトレーニングを受けた医師が充実した教育が受けられたと実感していただくことが望まれます。具体的には、心臓外科医として必要なスキルを学年に応じた内容で、だれにでも平等に行えるプログラムを作っていきたいと思います。こうしてトレーニングされた医師の充実が今後の岩手県における心臓外科領域の充実に繋がるよう努力してまいります。 心臓外科領域における新たな治療法の開発、研究も重要であります。大学病院として新たな治療法を導入し、安全に患者様に用いることで、より負担の少ない手術を行うことで、早期の社会復帰が可能となります。一方、病院は入院期間を短縮することで、次に待つ多くの患者様を受け入れ、手術までお待ちいただく期間をより短くしていくことができます。こうした良好なサイクルを目指す意味でも研究は必要であり重視していかなければならない分野であると考えています。
これまで大学病院はやや敷居の高い施設と感じておられた患者様あるいは循環器科の先生、開業医の先生もおられたかと思います。今後は、こうしたお気持ちを払拭できるよう医師や職員一同協力して行きたいと思います。どのような内容でも相談いただき、急患はもちろんですが、原則受け入れていくという方針のもと診療を行ってまいりたいと思います。今後とも、皆様のご期待に応えられるよう、また岩手県における心臓血管外科分野をより充実させていきたいと思います。ご指導、ご鞭撻よろしくお願いいたします。